Weingut Meyer

Frau Sabine Albert von Weingut Meyer
Sabineさん

2024年8月17日(土)
今日も快晴。太陽が眩しい。今日の目的地、Weingut Meyerがあるホイヒェルハイム=クリンゲン村を目指し、シュパイヤーから西に向かう。途中、週末のフェスティバルの渋滞に巻き込まれたが、1時間もかからずにホイヒェルハイム=クリンゲン村に到着。ホイヒェルハイム地区に入ってすぐのところを左折しバーンホフ通りを進むと、あった。立て看板に「Meyer」の文字。着いた着いた。それにしても現代的な建物。直線を基調にしたシンプルで近未来的なデザイン。グレーと黒の塗装がカッコいい。後で知ったことだが、この建物、2016年にラインラント=プファルツ州のワイン建築賞を受賞したとのこと。

Weingut Meyer

全面ガラス張りのヴィノテークの入り口から中に入り、カウンターの呼び鈴を鳴らすと、奥から現れたのはSabine Albertさん。「こんにちは。日本から来たのね」と、笑顔で迎えてくれた。

Vinothek von Weingut Meyer

Weingut Meyerは1949年創業。現当主Andreasさんのお祖父さんであるEdmund Meyerさんが、複合農家として家業を開始した。ブドウ畑は3.5ヘクタール。Edmundさんは、1950年代の初めに自らワインを瓶詰めし販売を始めた。その当時、ワインを自ら販売する生産者はまだ少なく、先駆的な生産者の一人だったとのこと。そのワインは徐々に人気を獲得し、Edmundさんはワイナリーとしての基盤を築いた。これを大きく発展させたのがAndreasさんのお父さんであるKarl-Heinzさん。ブドウ畑を拡張するとともに、自然な農法を導入。醸造にも最新の技術を導入した。ブドウ畑は17ヘクタールになり、2020年には有機栽培の認証を取得。そのワインは専門誌等でも高い評価を得るようになった。Andreasさんは、ワイン醸造の教育を修了してからワイナリーの経営に参画。2005年からケラーマイスターを務めている。2020年には、プファルツの優秀な若手醸造家を選抜する„Die Junge Pfalz“にも選ばれた。つい最近まで、Karl-HeinzさんとAndreasさんは共同で当主を務めていたが、2025年からAndreasさんが当主を引き継いでいる。

Vinothek von Weingut Meyer

それにしても、シンプルかつモダンなヴィノテーク。白い壁にグレーの床、黒の天井。そして明るい色調の木を使ったカウンターやテーブル類。クールなデザインながら、ワインを飲みたくなる雰囲気がある。
「さて、何を飲む?」とSabineさんはワインリストを見せてくれる。ブルグンダー種も気になるが、リースリングのトロッケンを一通り飲もうと思い、まずはグーツワインをお願いした。あっ、これ良い香り。柑橘系に加え、リンゴ、洋梨や桃の香り。完熟感のあるジューシーな果実味。やや甘めだが、酸が効いていてちょうど良い感じ。フレッシュ。「うちはグーツワインも良いブドウを選んでいるから美味しいでしょ」とSabineさん。

Fotos von Weingut Meyer

次はオルツワイン。「これはホイフェルハイム地区の石灰質粘土の土壌よ。ブドウは手摘みで選別しているの」柑橘系の良い香り。洋梨、桃の香りも。ハーブのニュアンス。飲んでみると柔らかい口当たり。凝縮した果実味。酸と良く調和している。そして、ハッキリとしたミネラル感。美味しい。「こちらはクリンゲン地区のワインで雑色砂岩土壌よ」と、Sabineさんは次のワインをグラスに注いでくれる。あー、これアロマが強い。柑橘系に加え、洋梨、アプリコット。そしてハーブの香り。スパイスの香り。凝縮した果実味。そしてしっかりとした酸。長い余韻。いや、土壌の違いが感じられる。こちらも美味しい。

Vinothek von Weingut Meyer

そしていよいよラーゲンワイン。まずはホイヒェルハイマー・ヘレンプファッドという畑のワイン。「ここホイヒェルハイム地区の周囲にある畑はみんなヘレンプファッドよ。レスレームに石灰岩が混じった土壌なの」うん、レモン、グレープフルーツといった柑橘系の良い香り。ハーブ、スパイスのニュアンス。柔らかな口当たり。凝縮感のある果実味がジューシー。力強い酸。穏やかな苦味。ミネラル感。余韻が長く酸味が尾を引く。いや、美味しい。「これは収穫時期が遅めで完熟度が高いのよ」なるほど。この力強さというか豊かさは遅摘みから来るのかもしれない。

Weine aus Weingut Meyer

こうなると、もう一つのラーゲンワインも飲まずにはいられない。クリンゲンミュンスター・マリアマグダレナをお願いした。「この畑は西隣のクリンゲンミュンスター村の周辺にあるの。石灰質粘土やレスレーム、雑色砂岩の土壌よ。あと、3、4回使用の木樽で熟成しているの」うん、レモン、グレープフルーツといった柑橘系にアプリコット、桃の香り。木の香り。ミネラルのニュアンス。石灰のニュアンス。凝縮感のある果実味が豊か。しっかりとした酸味が骨格を造る。穏やかな苦味が深みを与えている。長い余韻。美味しい。

Vinothek von Weingut Meyer

折角なのでブルグンダー種をと、最後にオルツワインのグラウブルグンダーをお願いした。「これはホイヒェルハイムの石灰質粘土土壌よ。一部は木ダルで熟成しているの」お、これ色が濃い。レモンイエローだが、ややピンクがかっている。柑橘系の良い香り。リンゴ、パイナップルの香り。濃厚な果実味がジューシー。苦味が程よく効いている。優しい酸。力強さを感じる。フレッシュな味わい。いや、やはりブルグンダー種ならではの魅力が感じられる。いや、満足。
色々と飲んでみて感じたのは、果実の力だ。どのワインも、果実味が凝縮されており、その味わいに個性が表れている。それはきっと、自然の力を最大限に利用し、手間暇をかけたブドウ栽培の賜物だと思う。そして、その果実の力を引き出すAndreasさんの醸造技術とセンスも素晴らしい。新しい当主となったAndreasさんが築いていくこのワイナリー、どのように発展していくのか本当に楽しみ!

Weingut Meyer

試飲したワイン
2023 Riesling trocken
2022 Heuchelheim Riesling trocken Kalkmergel
2022 Klingenmünster Riesling trocken Buntsandstein
2022 Heuchelheimer Herrenpfad Riesling trocken
2022 Klingenmünster Maria-Magdalena Riesling trocken
2023 Heuchelheim Grauer Burgunder trocken Kalkmergel

畑面積:17ha
生産量:120,000本/年
上級畑:Heuchelheimer Herrenpfad、Klingenmünster Maria-Magdalena、Appenhofener Steingebiss
土壌:HH/石灰質粘土、KM/石灰質粘土・レスレーム・雑色砂岩、AS/石灰岩・貝殻石灰岩・レスレーム
栽培種:25%リースリング、20%ヴァイスブルグンダー、20%グラウブルグンダー、15%シュペートブルグンダー、20%その他
BIO

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